「宇宙戦艦ヤマト TVシリーズパート1」から
第14話 「銀河の試練!!」


西暦2199年、地球はガミラスの遊星爆弾攻撃(※1)を受け放射能によって汚染、人類は地下都市を築いて、なんとか生き延びていますが、放射能は地下にも浸透しはじめ、人類滅亡まであと1年になってしまいます。

この危機にイスカンダル(※2)からメッセージカプセルが届き、放射能除去装置コスモクリーナーDを受け取るため、宇宙戦艦ヤマトは14万8000光年のかなた、イスカンダルに向けて発進しました。

ガミラスとの戦闘を繰り広げながら旅程の途中、オクトパス原子星団(※3)が嵐になっていました。嵐が収まるの待つため、ここでヤマトは3週間も足止めをくってしまいます。ガミラスの襲撃もしばらくないようで、艦内乗務員たちは娯楽室で思い思いのときを過ごしています。

その中で戦闘班長の古代進航海班長の島大介がテーブルの上に脚つき4寸盤を挟んで対戦しています。

このテーブルは他のより明らかに低く作られているので将棋専用の特注、あるいは探し出したものですね。ヤマトには、それだけ愛好者が多かったのでしょう。(←ちなみに観戦者3人)

戦いはすでに終盤で、左の図面でした(▲側1六・5九、△側5四の配置は駒影だけだったので、これじゃないかなって駒を置きました)。ここで島が△3八金と打ち

島「これでどうだ…(ぼんやりしている古代に)…王手だぞ」
古「あっ、ちょっ、ちょっと待ってくれよ、いいだろ」
島「だめだ」
古「そんな、かたくるしいこと言うなよ〜」、
島「だめだと言ったら、だめだよ。一度やると決めたことは変更したくない
古「チッ、融通の利かないやつだな〜、おまえは」
島「君こそ、待ったが多すぎるんだよ」
古「なにお〜っ」
と、言って古代が左手で盤をはたき、2人で殴り合いを始めてしまいました……。

さて、古代の2八銀の配置に注目です。このカベ銀は金無双(※4)のなごりである証明です。島の3五歩からも2人は相振り飛車を指していたことが判明します。

と、いうことは古代側の4六歩を自分から突くことはまずないので、上の図面は△4六歩の合わせに▲同歩と取ってしまった局面と推測できます。実戦中、古代は「なんで、こんなとこに3週間もいるのだろう」と、将棋に集中していない様子でした。うっかり▲4六同歩で詰まされたため、待ったをしたくなったのですね。

古代の6六桂の配置から島は美濃囲いしている様子が分かります。これは古代の持ち駒に桂がもう1枚あって、▲7四桂△同歩▲同桂のつなぎ桂(※5)で一気に攻略しようと画策したはずです。

それを島は△6五角と攻防の一手で返しているのです。しかし気になるのは△3八金に「王手」と言っている点。ふつうなら「詰みだぞ」とか言うはずなんです。つまり定跡や手筋の本などは、ずいぶん読んでいるのに実戦経験が少ないんですね。

古代の対局態度は正直レッドカードですが、戦闘班長という点を考慮します。好戦的で負けず嫌いじゃないと、とてもやっていけないポジションでしょう。なんせ、彼に地球の存亡がかかっているようなものですから。

と、いうことで古代 進3級/島 大介初段を認定

(※1)ガミラス大帝星・デスラー総統指揮のもと、地球攻略、人類せん滅を目的に冥王星から発射されている。強力な爆発と放射能をまきちらす兵器
(※2)大マゼラン星雲、サンザー系第8番惑星。ガミラスと2連星を成す。高度な科学力を持ち、地球に放射能除去装置・コスモクリーナーDをさずけようと、女王スターシャがヤマトを呼んだ
(※3)銀河の大難所のひとつ。8個の半凝固体は星として固まりつつある若い原子の星で、そのひとつひとつは相互に激しい水の流れを生み、原子雲放射線体で結び合い、その大きな流れが星団の間を、猛烈な力で渦巻いている。その外側は大暗黒星雲に包まれて、いっさいを闇に中に押し込めてしまっている
(※4)きんむそう。相振り飛車特有の玉の陣形
(※5)美濃囲い攻略に用いられる必殺技


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