関先生は本アニメの主人公である春風どれみちゃんのクラスを担任する美人教師です。教頭先生は「女だてらにアマ初段のわたしに勝負をいどむとは」と本人が言っていたので、おそらく美空市内の将棋道場(すごい、立派なんです)で認定してもらったのでしょう。 関−教頭戦は下の図面となっており、関先生が長考中です。
この局面を見る限り、双方とも得意戦法は矢倉。とくに教頭先生は7四銀型の好形を築いているあたり、さすが本人が初段だと言っているだけあります。
ここで本編の主人公、谷山将太くんが登場して▲2七金の絶妙手を指摘します(ホントは助言しちゃだめだよ)。
▲2七金は△同馬に▲1五馬(このために3七馬をずらした)△1三玉▲2二銀不成△1二玉▲2一銀不成△1三玉▲2五桂までの詰み。これを将太くんは読み切ったんですね。
実は将太くんのお父さん、奨励会三段まで進んだものの、年齢制限で退会を余儀なくされた経歴があり、お父さんに3年前までみっちり仕込まれていたそうです。
その後、いろいろありましたが、将太くんは美空市チビッ子将棋大会に出場し、決勝戦で道場常連の三段で、6年生の河野くんと対戦しました。
戦形は角換わりに進むと、お父さんは早くも勝ちを確信し、外で余裕の一服。その理由を関先生に「角換わりの矢倉の戦法(※1)は、オレがよく教えた将太の得意手なんですよ」と語っています。
決勝戦で局面が確認できたのが左の図面ですが、飛車が1枚ありません。おそらく河野くんの持ち駒ではないかと思います。
この局面でお父さんの形勢判断は「なぜ、敵陣に角を打ち込まないんだ。成り角を作れば有利になるのに」。
私的には▲4一角〜▲3二角成〜▲4二金としがみつくのが厳しい手段だと思います。敵陣に角は打ち込みますが、成り角を作るというより、寄せにいくのです。お父さん、受けの棋風なんでしょうね。一度対戦してみたいなあ。
ここで谷山くんがどう指したのか、分かりませんが、最後の局面を見ると(部分的に出てました)おそらく▲4一金と指したと推測されます。「寄せは俗手」の格言どおり、これもなかなかの手です。
結局、角を打って(この角がバッドアイテム(※2)だった河野玉を詰ませ、谷山くんは見事に優勝しました。しかし、谷山くんは実戦不足の感が見受けられたのと、河野くんは油断のあまりトン死を食ったのではないかという表情だったので、実力は河野くんが上ではないかと思います。
まるまる一話分、将棋を題材にしたストーリで、棋譜表記や局面、奨励会制度などしっかりしており、脚本家(栗山 緑さん)の将棋界への造詣の深さが感じられました。
ちなみに、我が家は4歳の娘がクルールポロンとリズムタップ(※3)持っており、ピ〜ララ ポポリナ ペペルト ペンペルト(※4)と呪文となえてます。
と、いうことで関先生 3級/教頭先生 初段/谷山くん 二段を認定
(※1)専門的に見ると、あんまり聞かない表現ですが許容範囲です。
(※2・3・4)いずれも近所の小学生の女の子に聞いてください。
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