全日本柔道選手権五連覇をとげ、名著「柔の道は一日にしてならずぢゃ」を記した猪熊滋悟郎さんと、エブリースポーツの松田耕作記者の一戦が、猪熊家の茶の間でありました。
滋悟郎さんが所有しているのは、六寸はあると思われる立派な盤です。駒台は四本足で、それも足下に向かい末広がりなる最高級品。通常、盤と駒台はお互いに見合うものをセットにするので、盤の材質はカヤ(※1)だと見ました。これで滋悟郎さんは並みの将棋ファンではないことが判明します。
局面は左の図です。盤上は確認できたのですが、持ち駒はよくわかりませんでした。しかし以下の指し手から、滋悟郎さんの持ち駒には銀と桂があることは確かです。
居玉から大乱戦の終盤です。しかし5八金左と上がっているのは、飛車交換がされていない居玉では、賢い一手です。
また、お互いに陣形の壁である歩が少ないのも特徴です。効果的な突き捨てをしたのではなく、歩を取り合った形跡が残っています。
以下の進展は▲5三銀△6三角!▲4三桂で滋悟郎さんの高笑いがでました。ぼんやりしていたとはいえこんな吊るし桂を食うなんて松田記者いけませんねえ。
滋悟郎さんは、中指と人さし指で駒をはさみビシッと指していましたが、松田記者はなんかおかしい。局面と対局風景から、滋悟郎さんは定跡にこだわらない実戦派、松田記者は初心者なのがわかります。しかし滋悟郎さんは、どれみちゃんの関先生には勝てないと見ました。
と、いうことで猪熊滋悟郎 6級/松田耕作 10級を認定
(※1)盤の最高素材。日本の宮崎県産のカヤ六寸盤なんていったら100万円以上する。
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