「モンキーターン」から
第10巻TURN10 「運で勝てても」


「モンキーターン」は競艇を題材にした漫画で、将棋でいえば「5五の竜」みたいなものでしょうか。「新鋭王座決定戦」の出場権を得た、東京支部の波多野憲二選手(主人公)と、そのライバルともいえる洞口雄大選手は、競艇ファンのメッカ、住之江競艇場に乗り込みます。

2人は予選、準優を突破し、初のG1優出を果たします。いよいよ明日は優勝決定戦という夜、波多野はふとんの中で考え事をしているのに、洞口は将棋を指しながら「いつもと同じでいきましょう」と言っています。と、いうことは洞口は毎晩指しているほどの将棋ファンであることが判明します。

さて、確認できたのは左の局面ですが、これは、間違いなく相矢倉戦からの進展で、▲4四角△3三銀▲3四桂△1二玉の局面でしょう。持ち駒が分からないのが残念ですが、実に白熱した勝負です。

まず洞口が▲3五歩△同歩と効果的な突き捨てを入れているのはさすがです。しかも?さんの「もう、こんな時間か、寝たほうがいいな」に対し「あー、そうやってっ逃げる気スか?」と返しているので、▲3三角成△同金▲2二駒、△3三同金で△同桂なら▲1四歩、あるいは▲4一銀以下の寄せを読み切っているのでしょう。これは、相当な棋力です。

相手の?さん(この人、メインキャラじゃないみたいで、名前が分かりません。ご存知の方がいたら教えてください)も、角筋を未然に防ぐ△9二香は序盤に精通している感を受けます。また、洞口の矢倉を△8六歩▲同歩△8七歩▲同金と、合わせからタタキ(※1)でくずしている跡がうかがえます。こっちも強いな〜。

この2人、棋力が接近しているから、指してて楽しいはずです。だから2人で毎晩指しているのでしょうね。

と、いうことで洞口雄大 三段を認定(?さんも三段認定ですが、名前わかり次第、登録します)

(※1)合わせ、タタキともに歩に関するテクニック


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