将棋専門紙誌や書籍などに掲載されている詰将棋は、3手詰めとはいえ必ずキーになる一手が入り、作品としての質を高めています。 確かにちょっと将棋が分かってきた層には、とてもタメになるのですが、まず1手詰めがキチンと詰ませることができないと、その有益性が損なわれてしまいます。 教室等では詰将棋の問題集から例題をとるケースも多々あることでしょう。ここで超初心の生徒にはいきなり3手詰めの問題を出すより、1手目(これがキーになる手のはず)と2手目を進めた局面で、1手詰めをクリアしてもらいます。 第1図は古典詰将棋の有名な作品です。▲5二角成△同銀右(左)▲6二銀(4二銀)の正解を考えてもらう前段階として第2図の問題を出します。 |
ここで▲6二銀の1手詰めが分からないと、▲5二角成の発見はとてもできません。1手詰めの問題集はあまり見かけませんので、3手詰めや5手詰めの最終手だけの局面を例題として、たくさんの1手詰めを体感させてください。 持ち駒がある1手詰めは「打てば詰む」という大前提があるため生徒も考えやすいようです。しかし盤上の駒を動かして詰ませる1手詰めは、意外と苦戦する傾向があります。 |
第3図は週刊将棋紙2001年9月12号「詰将棋入門 第1問」の2手目の局面(原図は受け方・2二玉、持ち駒・銀)です。ここで▲2三銀成がすぐ分かるようになれば、相手の玉を詰ませるのに慣れてきた証明です。 ここで思い出話をひとつ。アマ2級ぐらいのころ、通っていた工藤浩平先生の教室で出題された第4図は「3手詰めなのに、なんで解けないのだろう」と、かなり悩まされた問題です。最終の1手詰めが盲点になって、今でも簡素な初形からの3手詰めの中では、最難問ではないかと思っているぐらいです。 |